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倫理委員会

平成25年度 第6回委員会審議平成25年2月27日

申請者 消化器外科医師 平下 禎二郎
2012−019
ERCP後膵炎が膵頭十二指腸切除術に与える影響の検討
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
・1)研究要旨
 膵頭十二指腸切除術において、術前の胆道精査や黄疸改善のために内視鏡的逆行性胆管膵管造営(ERCP)が必要となることが多い。ERCPは合併症の多い検査のひとつであり、ERCP後膵炎はもっとも頻度の高い合併症である。膵炎は重症化すると致死的になることもある。膵頭十二指腸切除術は腹部手術の中では最も高度な手術のひとつであり、近年の医学の進歩により、手術関連死亡率は5%以下まで低下しているが、膵液瘻や胃排泄遅延などを含めた術後合併症は30-60%と依然高頻度である。
ERCP後膵炎は周囲組織への炎症の波及や癒着などを招き、その後の膵頭十二指腸切除術の手術操作や術後経過に影響を与える可能性があるが、ERCP後膵炎が膵頭十二指腸切除術の周術期因子に対して影響を与えているかは現時点では不明である。
本研究ではERCP後膵炎と膵頭十二指腸切除術の周術期因子との関係についてレトロスペクティブに検証する。対象は2009年から2012年までに当科で施行した膵頭十二指腸切除術38例とする。ERCP後膵炎(+)群と膵炎(-)群の2群に分け、膵頭十二指腸切除術における周術期因子として、患者背景(年齢、性別、BMI、診断)、手術(術式、手術時間、出血量、輸血)、術後経過(血液検査、膵液瘻、ドレーン抜去日、胃内容排泄遅延、在院日数)を検討する。
本研究は、文部科学省および厚生労働省の「疫学研究に関する倫理指針」 (平成19年8月16日全部改定)に従って実施し、すべて通常診療で行われた症例の診療録(既存資料のみ)を後ろ向きに統計学的に解析し、研究対象者に対して介入を伴わない(研究のための医療行為や試料採取がない)観察研究である。成果発表時には、個人を識別する情報は一切使用しないよう十分に配慮し、本研究の実施に際しては、特別な利益相反は生じない。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。
  
申請者 リウマチ科部長 末永 康夫
2012−020
日常診療における目標達成に向けた治療(Treat to Target T2T)実践のアウトカム測定のためのHAQ調査
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
・1)研究要旨
 現在、関節リウマチ(RA)の治療においては、「目標達成に向けた治療(Treat to Target、T2T)」を日常診療に取り入れる運動が世界中で展開されている。Treat to Targetの最終目的はRA患者のアウトカム改善であるが、T2T実践によってRA患者のアウトカム改善したことを示唆するエビデンスはない。そこで、本年(T2T普及前群)及びT2Tが普及した時期(普及後群、2年後を想定)に、HAQ-DIを指標としたRA患者の身体機能状態を調査し、日常診療におけるT2Tの実践がRA患者のアウトカムに与える影響について比較検討する。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。
申請者 泌尿器科部長 田崎 義久
2012−021
ドセタキセル化学療法中、または治療終了後に進行した前立腺がん患者の治療実態調査(PROXIMA)
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
・1)研究要旨
 調査実施計画の主な改訂点は次の3点である。
(改訂前)最長12ヶ月から15ヶ月
 (改訂後)最長24ヶ月
(改訂理由):患者の調査への参加期間は12〜15ヶ月を予定していたが、登録時のPS、QOLが良好な症例が世界的に多くみられ、更に全生存期間が延長する可能性があると判断された。従って治療法別の1年時点での無増悪生存期間、治療法別の24ヶ月時点での全生存期間を調査することとなった。
添付資料:…敢瑳損楫弉莉餡訂版1
      PROXIMA調査実施計画書 変更点一覧(第1.01版→改訂版第1版)

 2.予定される合計患者数の変更
 (改訂前)全世界で1500例
 (改定後)全世界で900例:但し、日本での登録予定患者数の変更はなし。
 (改訂理由):必要症例数についての再検討が行われ、目標数を減数した。
 但し、日本国内の目標症例の変更は行われないため、各施設の目標症例の減数は実施しない。
 添付資料:…敢瑳損楫弉莉餡訂版1
      PROXIMA調査実施計画書 変更点一覧(第1.01版→改訂版第1版)

 3.同意説明文書の改訂 Ver1.00→Ver2.00
 添付資料:て碓媽睫席現顱丙鄒日2013年1月31日 版番号ver.2.00)

上記、実施計画書の改訂を踏まえて、調査参加人数(世界各国合計900人)の変更、患者の調査参加期間を24ヶ月に変更した。
 24ヶ月目の調査については、生存調査となる可能性が高いため、電話により健康状態をお尋ねする可能性があることを記載した。
既に同意取得済み患者においては、再同意を試み、再同意取得者については24ヶ月目の調査を実施する。
 同意を得られなかった患者については、当初の同意書の通り12〜15ヶ月で調査を終了する。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。
  
申請者 消化器内科医長 良永 雅弘
2012−022
消化管神経内分泌腫瘍に対する内視鏡的切除術の成績に関する多施設共同研究
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
・1)研究要旨
 目的:消化管神経内分泌腫瘍(NET)のWHO分類が2010年に改訂され、Ki-67指数や核分裂像数の細胞増殖動態に基づいた分類となった。消化管NETで移転のリスクが小さいと考えられる腫瘍に対して内視鏡的切除術が施行されるが、その適応に関するエビデンスは少なく、また、これまでの報告は旧分類であるcarcinoidに関して検討されたものである。そこでこれまでに消化管NETに対して内視鏡的切除術が施行された症例の治療成績をレトロスペクティブに検討し、また、新WHO分類を用いた病理組織学的診断を行う事により、消化管NETに対する内視鏡的切除術の有効性、安全性や治療適応の妥当性を明らかにする。
 対象:当科および共同研究施設において消化管NETに対して内視鏡的切除術を施行した患者を対象とする。
 方法:対象患者の臨床情報、治療情報、病理診断結果、治療後の経過をレトロスペクティブに調査する。内視鏡的切除標本を用いて、2010年WHO分類に基づいた消化管NET診断を行う。
 評価項目:年齢、性別、内視鏡的切除術施行日、内視鏡所見、内視鏡手技、治療時/後の合併症の有無、腫瘍局在、腫瘍径、病理組織診断、深達度、切除断端、脈管侵襲の有無、Ki-67指数、核分裂像、TNM分類、追加手術の有無、最終生存確認日、再発の有無、死亡の有無
 エンドポイント:生存率、再発率、合併症発生率
 予定登録数:約150例
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。