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倫理委員会

平成22年度 第7回委員会審議平成23年1月31日

申請者 副院長 酒井 浩徳
2010−016
「自己免疫性肝炎の発症・進展に関わる遺伝因子の網羅的遺伝子解析(Genome-wide association study:GWAS)国内共同研究」
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
 自己免疫性肝炎(AIH)の発症および進展には、遺伝因子が関与すると考えられており、これまでに主にHLAや種々の分子の遺伝子多型と疾患感受性、病態との関連が検討されてきた。それらの検討の結果、日本ではHLA−DR4、欧米ではHLA−DR3が疾患感受性に関わる因子として同定され、特定の分子の遺伝子多型の遺伝子型がAIHの発症・進展に関与する可能性も示されている。一方、近年の遺伝子解析技術の進歩により、全遺伝子の遺伝子多型等を包括的に解析するGenome-wide association study(GWAS)が行われるようになり、従来の研究方法では同定することが不可能であった疾患の発症・進展に関わる新たな遺伝因子の同定が可能となってきている。
 こうした背景をもとに、厚生労働科学研究費補助金・難治性疾患克服研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班(班長:坪内博仁)では、自己免疫性肝炎分科会(分科会長:恩地森一)・診断指針作成ワーキンググループ(責任者:銭谷幹男)を中心に、研究班分科会に参加する国内諸施設等の協力によるAIHの発症・進展に関わる遺伝因子のGWAS研究を計画している。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。
申請者 薬剤科長 松本 憲治
2010−017
「経口がん分子標的治療薬の投与量並びに適正使用に関する実態調査」
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
 経口がん分子標的治療薬の開発と普及に伴い、がん化学療法の治療成績は著しく向上しつつあるが、欧米人と比較した場合、日本人における副作用の発現頻度は高いことが臨床上指摘されている。慢性骨髄性白血病治療薬イマチニブの標準投与量は諸外国と同量の400mg/日連日投与とされているが、日本人では副作用のため減量を余儀なくされる場合があり、200-300mgにおいても有効性は確保されるとの報告もある。また、投与量は副作用に応じて適宜調整されているが、欧米人に比べてアジア人では減量傾向にあることが指摘されている。その他、実地医療で使用されている多くの経口がん分子標的治療薬の本邦における標準投与量は欧米人と同等量であり、副作用発現に応じて投与量調整されているのが現状である。本年度、熊本県において経口がん分子標的治療薬の投与量実態調査をパイロット的に実施した結果、添付文書上の標準投与量より少ない投与量で処方されている症例が多いことが、第20回日本医療薬学会年会において報告された。以上の背景を踏まえ、新規分子標的治療薬の適正使用には標準投与量の維持が必要と考えているが、患者毎の副作用発現や重篤度により適宜増減されていることから、標準投与量と減量投与の実態究明は、薬剤師による患者の服薬指導・薬学的ケアのみならず、処方適正化に関する医師との協議等においても重要な基礎情報となることが期待される。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。