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倫理委員会

平成22年度 第5回委員会審議平成22年11月24日

申請者 呼吸器外科医長 斉藤 元吉
2010−010
「肺癌術後再発症例の治療と予後に関する多施設共同前向きコーホート観察研究」
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
 非小細胞肺癌で手術を受けた後に再発と診断された方を対象に病状と治療経過を追跡する調査。
 これまで術後再発を対象とした生命予後、予後因子治療法に関する研究報告は少なくさらに報告の多くは海外の単施設によるものがほとんどである。一方で近年新たに開発された抗癌剤や分子標的治療薬の登場で再発後の治療法もこの数年で大きく変貌しつつある。
 従って術後再発に対する今後の適切な治療選択を検討するうえで、多施設間での観察調査が必要であるため。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。
申請者 副看護師長 村武 明子
2010−011
「国立病院機構におけるC1ostridium difficile 関連下痢症の発生状況と発生予防に関する研究」参加について
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
 C1ostridium difficile(C.difficile)は抗菌薬や抗悪性腫瘍薬使用に関連する下痢・腸炎の主要な原因菌であると同時に、重要な院内感染菌である。本菌による感染症では、軽度の下痢症から、偽膜性大腸炎、イレウス、更には緊急手術を要するような中毒性巨大結腸症や腸管穿孔まで菌株や宿主の状態によりさまざまな症状を呈することが知られている。また一旦治療で改善してもrelapse(再燃)が起こりやすいことも特徴である。C.difficileは、偏性嫌気性菌で、芽胞を形成し、乾燥やアルコール消毒に耐性となるため、環境に長く存在し続けて、医療従事者などを介して院内感染を起こすことが知られており、医療関連感染の原因菌として、欧米では以前から重要視されてきた。欧米でのアウトブレークを受けて、我が国でも平成19年4月2日付けで厚生労働省医政局より各都道府県、政令市、特別区の衛生主幹部(局)へC.difficileの院内感染対策の徹底についての注意喚起が行われた。しかしながら我が国では、CDADは厚生労働省の院内感染サーベイランスにも含まれておらず、医療従事者のCDADに対する関心は必ずしも高いとは言えず、多くのCDAD症例の発生が見逃されている可能性がある。本研究で、国立病院機構という日本最大の病院グループでのCDADの発生状況や感染予防対策の実施状況を明らかにすることは、感染予防上も重要な意味を持ち、医療従事者のみならず高齢者施設など一般国民に対しても大きなインパクトとなると同時に、医療の質の改善にも結びつくものと思われる。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。
申請者 副看護師長 吉村 幸永
2010−012
「在宅で経口抗がん剤を内服している患者の現状調査薬に対する理解と内服の管理について」
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
 がん化学療法の治療の場は、入院から外来へシフトされている。中でも経口抗がん剤については、静脈注射と違い、投与経路が経口であるため、治療の場として在宅を選択されるケースが多い。そのため、在宅治療中の患者は、医療者と接する機会も外来受診日のみだけとなってしまうことも少なくない。また、従来の経口抗がん剤に加え、分子標的治療薬は皮膚障害など特有な副作用を有するものもある。そのため、経口抗がん剤は自宅で患者自身が管理できることが前提となり、患者自身のセルフケア能力が重要となる。しかし現状では、在宅で治療ができるという簡便さから静脈注射より、その副作用が軽いという意識やその内服管理についても十分に理解しきれていないのではないかと感じることがある。今回の研究では、経口抗がん剤についての患者の理解と実際の内服管理の現状を明らかにし、今後経口抗がん剤内服中の患者の副作用のモニタリングと内服管理のシステム構築に役立てたいと考える。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。