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倫理委員会

平成22年度 第2回委員会審議平成22年5月26日

申請者 腎臓内科医長 菊池 秀年
2009−015
「腹膜透析患者におけるタイダル療法の睡眠障害改善効果について」
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
 腹膜透析療法の中でも、就寝中に自動的に透析液を交換するサイクラー(自動腹膜潅流装置)を用いたAPD療法は、日中活動時のバック交換回数を減少させライフスタイルを損なわない透析方法であり、その使用頻度は近年増加傾向である。しかしながら器械を用いて行う透析のため、就寝中のアラーム音や排液時の痛みなどにより睡眠障害を来す可能性も指摘されている。一方、タイダル療法とはAPD療法においてサイクラーを使用して短い時間で注排液を繰り返し注液した全部の量を排液するのではなく、その一部を頻回に交換する方法であり、アラーム音や排液時の痛みの回避効果も示されている。このような利点を持ちながらもタイダル療法は現在まで一般的な認知が少ないのが現状であり、睡眠障害を回避する更なるエビデンスの発信が急務である。
 そこで本研究は、タイダル療法の睡眠障害改善効果を睡眠スコアを用いて検討するとともにQOL改善効果、残腎機能保持、透析効率への影響も視野に入れて評価する。
判定 条件付承認 本報告は全員一致で条件付承認とされた。
申請者 小児科医長 高橋 伸
2010−002
「川崎病ガンマグロブリン不応例に対するインフリンキシマブ投与」
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
 川崎病急性期の治療において、ガンマグロブリン大量療法と抗炎症薬経口投与が一般的に行われているが、ガンマグロブリン投与に反応しない症例(不応例)が存在する。不応例に対してはガンマグロブリン追加投与、ステロイド投与治療等が行われているが、未だ確立されたものはなく、すべての例に有効な治療法は存在しない。急性期治療の目標は炎症を速やかに終息させ、冠動脈瘤を形成しないことである。中等度以上のサイズの動脈瘤を生じた場合、後遺症として残存し、虚血性心疾患や突然死の原因となり、患児の生活に重大な影響を及ぼすこととなる。発生した動脈瘤を治療により縮小させることは不可能であり、冠動脈の発生しやすくなる9病日以前に解熱させることが重要である。
 インフリンキシマブは生物学的製剤による抗TNF−α抗体で、関節リウマチ等の疾患に抗サイトカイン療法のひとつとして使用される薬剤である。2004年にWeissらがガンマグロブリン投与・ステロイド投与に不応の川崎病症例に対する使用を初めて報告した。日本でも使用例が増加しており、その有効性が確認されつつある。しかしながら川崎病に対する使用は未承認であるためOff−rabelでの使用となり、感染増悪等の副作用の懸念から、十分なインフオームドコンセントを得ておく必要がある。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。
申請者 小児科医師 都 研一
2010−003
「川崎病におけるγグロブリン大量療法が内分泌環境に与える影響の検討」
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
 川崎病は乳幼児に好発する原因不明の急性熱性疾患である。全身の中小動脈の血管炎が特徴であり、中でも冠動脈瘤は予後を左右する重篤な後遺症である。その治療には、抗血栓療法としてのアスピリン投与と抗炎症効果を目的としてのγグロブリン大量療法が行われている。特にγグロブリン大量療法は、冠動脈病変の予防に有効と考えられている。
 γグロブリン製剤は、ヒトの輸血に由来する血液製剤である。その精製過程において血液媒介病原体などは安全に除去されているが、内分泌物質の残存、および投与によるその影響については検討がなされていない。本研究では、γグロブリン製剤中の内分泌物質を測定し、残存が認められたものついては、投与前後での血清中濃度を測定してその影響を検討することを目的とする。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。
申請者 副院長 酒井 浩徳
2010−004
「C型慢性肝炎のペグインターフェロン・リバビリン療法における健康補助食品「アスタキサンチン」の併用効果に関する試験研究」
申請の概要
医療行為及び医学研究の目的
 Genotype 1型で高ウイルス量の難治性C型慢性肝炎患者に対するPEG-IFN/Ribavirin併用療法において、治療早期のHCV抗原量と新しく開発されたCOBAS TaqMan HCVを用いてHCVRNAの定量を行い、治療早期に効果予測が可能であるかを比較検討する。また、PEG-IFN/Ribavirin併用療法48-72週間投与のウイルス学的治療効果について検討し、副次的に8,12,16,24週投与時の陰性化率、肝機能改善度、安全性について評価する。
判定 承認 本報告は全員一致で承認された。